~DanceとSakeを愛する者のメモ~
Dance studio R
「これは深いリスニング体験を求める人向けの作品なんだ。エキサイティングな感覚を楽しんでもらえたら嬉しいね」
タイヨンダイ・ブラクストンのライブパフォーマンスから戻った同居人は、いつになく興奮していた。
スティーヴ・ライヒやフィリップ・グラスなどの名盤を世に送り出してきた現代音楽を代表する老舗レーベル〈Nonesuch Records〉から新作リリース!!とのことだが、難解な感じは全くなく(そこがまた素晴らしいとこなのではあるが)RPGでもやっているかのような感覚に陥ります☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆って私だけでしょうか??
「リスニング体験というものは、真剣に取り組むべきものだと思うんだ。そう取り組むことは誰でも可能なはずだし、少なくとも僕自身はみずからのすべてを捧げて行うことだと思っているよ」
5月某日。作り手のこうした意向が作品から伝わったのか、都内ではタイヨンダイ・ブラクストン『HIVE1』のハイレゾ試聴会が開催された。この作品が世に放たれてからすでに半月ほど経過し、興味があればいつでも音源を購入(あるいは店頭やSoundCloudで試聴も)できる状況でありながら、試聴会は見事に満員御礼。会場に設置されたDYNAUDIO社製のハイエンドスピーカーから放たれる爆音に、ある者は体を揺らし、またある者は宙を見つめながら聴き入っている様子は、そのまま『HIVE1』という作品の特異性を示していたようにも思える。そして作り手であるタイヨンダイ本人も、この作品を「特殊なアルバム」として捉えているという。
タイヨンダイ:これはどんな環境でも流せるような作品ではないよ。それこそ、パーティーを開くときに『HIVE1』は合わないだろうね。つまり、これは深いリスニング体験を求める人向けの作品なんだ。そういう意識でじっくりと聴いてもらえれば、この音楽のなかで起きている様々な物語がきっと浮かび上がってくるはずだよ。そういうエキサイティングな感覚を楽しんでもらえたら嬉しいね。
たしかにこの日の試聴体験は非常に刺激的なものだった。エレクトロニクスと複数の打楽器が調和を避けながら浮き沈みを繰り返す『HIVE1』は、聴き手に対して常に一定の緊張感を与えてくる。この楽曲展開のすごさはもちろんCD音質でも十分に体感できるが、粒子のきめ細やかなハイレゾ音源だと、パーカッションやグリッチノイズが立ち上がってフェードアウトしていくまでの質感も、より鮮明にはっきりと伝わってくるのだ。そしてなによりも一般的な家庭環境ではありえないレベルの大音量で聴けるのは、なかなか得難い体験だった。一定のボリュームを超えると聴こえ方が劇的に変わる。『HIVE1』はそんな作品だと感じた。
タイヨンダイ:その通り! 「『HIVE1』は想像できるすべての設定に適したアルバムです」と言ってみたい気持ちもあるけど、実際はそうじゃないんだ。ヘッドホンでもステレオでもいいから、大音量で聴いた方が絶対に楽しめると思う。このアルバムに録音された音とその音質は、非常に濃いものだからね。でも、例えばそれをノートパソコンのスピーカーで再生すると、単純なアイデアとその下に響くパーカッションの音しか聴こえてこないから、どうしても薄っぺらく感じてしまう。あるいは夕飯の支度をしているときなんかに、音量を絞って『HIVE1』をかけても、この作品の要には届かないだろうね。
その『HIVE1』を作った彼自身も、音楽と向き合うための特別なリスニング環境を用意しているという。
タイヨンダイ:実際、僕も大音量で音楽を聴いてるよ。僕の家には最高のステレオがあるから、どんな種類の音楽もかなりの大音量でかけるんだ。ベースを練習するときなんかもそう。素晴らしい性能のスピーカーを使って、いつも爆音で演奏してる。大音量で音楽を聴くと、音の中に自分が存在しているように感じられるし、そこに身を委ねているような気持ちになれるんだ。それが自分の出した音であろうと、他人の出した音であろうとね。
http://ro69.jp/news/detail/126830
TYONDAI BRAXTON|タイヨンダイ・ブラクストン| 1978年生まれ。フリージャズの巨匠、アンソニー・ブラクストンを父にもつ実験音楽家。
http://wired.jp/special/2015/tyondai/

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